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AMDAや岡山大など 医師ら順次派遣 東日本大震災 救援・治療へ奔走

被災者を支援するため盛岡市に向けて出発する岡山大病院の医師ら

 東日本大震災の被災地は16日、雪に覆われた。岡山県内から派遣された警察や消防、自衛隊員、医療関係者らはこの日も厳寒の中、津波が襲った沿岸部の集落や避難所などで救援・治療に奔走。その数は延べ800人を超えているという。がれきの山で道路網が寸断、燃料の現地調達も難しい劣悪な環境下、被災者の思いに寄り添いながら懸命に活動を続けている。

 被災直後から現地入りした国際医療ボランティア・AMDAは16日までに菅波茂代表ら医師や看護師など延べ21人を仙台市などに順次派遣。現在、7人が仙台市と岩手県釜石市の避難所を巡り、被災者の診療などに奮闘している。日本赤十字社県支部は福島、岩手県に医師、看護師ら15人を派遣。岩手県の避難所で救護活動を行っている。

 千葉喬三学長をトップに災害支援対策本部を設置していた岡山大は岩手県の要請で医療班の派遣を決め16日、2人が岩手医科大付属病院(盛岡市)へ救急車で出発した。

 第1班は岡山大病院の救急医と看護師で「時間経過で変化するニーズを把握し、継続的な支援を」(氏家良人・岡山大病院救急科教授)とし、22日までに3班計7人を派遣する。NPO法人・岡山医師研修支援機構も岡山大に協力、現地へ赴く医師を募集している。

 被災者の心のケアも開始された。県は16日、県精神科医療センター(岡山市北区鹿田本町)の医師、精神保健福祉士、看護師ら8人で編成するチームを宮城県登米市へ派遣。期間は1週間程度で、交代しながら避難住民の診療や相談などに24時間態勢で当たる。

 来住由樹・同センター医療部長は「派遣地域には1万人以上が避難し、小中学生が150人いると聞く。親や愛する人と生き別れ、孤独に違いない。人々の心を受け止めたい」と決意を述べた。

 支援の輪は、まだまだ拡大しそうだ。岡山市は21日から保健師を仙台市へ。4月末まで、1週間交代で2人程度が避難所に詰め、計16人が健康相談に乗る。県医師会も現地から帰岡した井戸俊夫会長の指示で第2陣を計画。県看護協会も研修を受けた「災害支援ナース」を中心にチームを編成中で、樫原美恵子常務理事は「被災者はもちろん、被災しながらも頑張る現地の看護師をサポートしたい」という。

 県薬剤師会も派遣要請に即座に対応できるようにボランティア希望者を確認中。遺体の身元確認を行うため、日本歯科医師会から派遣要請があった県歯科医師会も協力者を募っている。

 県の災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)5チーム計27人は岩手県などで活動し、15日までに帰岡した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年03月17日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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