文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 「肌露出避けて被ばく防止、正確な情報基に行動を」 福島原発周辺のボランティア、どう対策 岡山大大学院・金澤右教授に聞く 

「肌露出避けて被ばく防止、正確な情報基に行動を」 福島原発周辺のボランティア、どう対策 岡山大大学院・金澤右教授に聞く 

金澤右教授

 県内から東日本大震災被災地には今後、市民ボランティアが支援に向かうと予想されるが、放射性物質が漏れた東京電力福島第1原発事故により、放射線被ばくへの不安が膨らんでいる。周辺地域に滞在したり通過したりする際に、どう対処すべきか、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の金澤右(すすむ)教授(放射線医学)に聞いた。

 ―放射線の性質はどういうものか。

 「放射線を発する放射性物質(ヨウ素、セシウムなど)から離れれば離れるほど、放射線量は低くなる。例えば半径1キロの地区で1ミリシーベルトを計測している場合、20キロ離れるだけで0・0025ミリシーベルトと400分の1まで低下する。現在、国が屋内退避指示をしている福島第1原発から30キロ圏より外では、直ちに健康に影響を及ぼすことはない」

 ―被ばくを防ぐ有効な手段は。

 「まずは表面被ばくを防ぐことが重要だ。皮膚の露出を避けるために、外出時はマスクや帽子、長袖の衣類、手袋などを着用する。ちょうど今の時期に行っている花粉症やインフルエンザの予防を思い浮かべてほしい。そして、可能ならば体をシャワーで洗い流すことだ。もし衣服に付着した可能性があるなら、ビニール袋に入れて口を閉めて置いておくとよい」

 ―岡山大病院にも放射線量検査の問い合わせがあると聞いた。

 「国が避難や屋内退避を指示している地域を通過するなどした場合には、岡山大病院でも放射線量の検査を行う用意がある。ただ、岡山に住んでいる方は被ばくしている可能性がないので安心してほしい。福島原発の事態収拾を願っているが、どのような状況になっても、正確な情報を基に行政の指示に従って、冷静な行動を心掛けてほしい」
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年03月23日 更新)

タグ: 岡山大学病院

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ