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脊髄小脳変性症 併発の新疾患発見 京都大と岡山大チーム 原因遺伝子も

 神経難病として知られる脊髄小脳変性症に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に似た症状が加わる新たな疾患と原因遺伝子を京都大と岡山大のチームが発見し、16日付米科学誌電子版に発表した。

 京大のiPS細胞研究所が、この患者の細胞で人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製。チームの小泉昭夫京大教授は「iPS細胞から分化させた神経細胞を正常な人と比べてメカニズムを解明し、治療薬開発に役立てたい」と話す。

 脊髄小脳変性症は小脳の神経細胞が機能を失い歩行障害などを起こし、ALSは筋肉を動かす運動ニューロンの障害で全身の筋肉が動かなくなる。

 チームは新たな疾患の患者の遺伝子「NOP56」の繰り返し配列が異常に増えてRNAとして蓄積し、不要な物質も大量に作られることが小脳障害の原因となることを解明。この配列の近くで遺伝子の働きを調整するマイクロRNAが細胞で減少、運動ニューロン障害を起こす可能性があるという。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年06月17日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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