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人工骨使いインプラント治療 耐久性検証 岡山大大学院・目瀬准教授ら

人工骨を活用したインプラント治療のイメージ

目瀬浩准教授

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の目瀬浩准教授(口腔外科)らの研究グループは、人工歯根を使って義歯を装着するインプラント治療で、歯根を埋め込む歯槽骨などの欠損部分を補うために人工骨を活用する技術の臨床研究を始めた。自分の骨だけを使う従来の方法より身体的負担が少ないことから、既に治療を行っている医療機関もあり、耐久性などを確認して治療の一般化を図る狙い。

 目瀬准教授によるとインプラント治療では歯槽骨やあごの骨が歯周病やけがで失われている場合、自分のあごや腰の骨の一部を移植するのが一般的。人工骨が使われる例もあるが、定着性や耐久性が十分に検証されていないのが実情という。

 臨床研究では、口腔内を切開してあごから採取した骨を粒状に砕いたものと、整形外科手術などで使われている粒状の人工骨を7対3の割合で混ぜ、自分の血液と合わせて歯槽骨などの欠損部分を埋める。あごの骨だけでは量が不足する場合でも、腰の骨を使わずに済む。

 6月から3年間で約60人に施術。穴埋めした部分が歯槽骨と一体化して人工歯根を支える強度が維持されているかを3年間経過観察する。目瀬准教授は「骨が大きく欠損している難しい症例でも口腔内の手術だけで完結できる。人工骨を活用した安全で効果的な治療法を普及させたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年07月08日 更新)

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