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松岡良明賞に園尾川崎医大教授 乳がん治療で功績

園尾博司氏

 山陽新聞社会事業団(越宗孝昌理事長)は8日、がん撲滅に功績のあった個人、団体をたたえる「松岡良明賞」の本年度受賞者に、川崎医科大(倉敷市松島)乳腺甲状腺外科学の園尾博司教授(63)を決めた。贈呈式はがん征圧月間の9月6日、岡山市北区柳町の山陽新聞社で行い、表彰状と賞金50万円が贈られる。

 園尾氏は、乳がん撲滅に向けて約40年間、一筋に取り組んできた。早期発見が特に大切とされる乳がんで、検診の精度アップのため、マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)の読影能力や視触診技術の高い医師の養成に尽力。県内の医療機関の少ない地域に出向いて検診を行うなど受診率向上にも努めた。

 乳がん治療では「乳房を残したい」と願う患者のために、全国に先駆けて手術に乳房温存術を導入。がんの転移を見極め、リンパ節の切除を最小限にするための「センチネルリンパ節生検」と呼ばれる検査法を取り入れ、腕の腫れといった後遺症を抑制。薬物療法とともに最新の治療を実践し、患者のQOL(生活の質)向上に貢献している。

 同賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から運営を委託されている基金をもとに表彰し、今回が16回目。選考は岡山県健康づくり財団が行い、同社会事業団が決定している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年07月09日 更新)

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