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家族で事前協議を 「胃ろう」テーマに講座 さん太ホール

 腹部に開けた穴から管で胃に栄養を送る「胃ろう」をテーマにした市民公開講座(中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアム主催、山陽新聞社など後援)が18日、岡山市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールで開かれた。

 胃ろうは主に終末期医療を受ける高齢者らに施される。患者は全国で50万人ともいわれるが、本人が治療を望んでいるかどうかの意思確認が難しいなどの問題がある。

 講座では、市民ら約200人を前に専門家7人が見解を述べた。岡山訪問看護ステーション看護協会の菅崎仁美所長は「(胃ろうにするかどうか)事前に家族で話し合っておくことが必要」と指摘。口を使わなくなることで唾液が減って雑菌が増え、肺炎を誘発する恐れがあることから岡山大病院医療支援歯科治療部の曽我賢彦助教は積極的な口腔(こうくう)ケアの重要性を訴えた。

 特別養護老人ホーム芦花ホーム(東京都)の石飛幸三医師は基調講演で、「息をしているだけが人間ではない。人間の尊厳に関わる問題。本人のために何が必要か現実をしっかり認識しなければならない」などと述べた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年07月19日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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