文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 岡山大病院、電子カルテ大部分開示 9月から MRIやCT画像、病歴 登録医療機関と共有

岡山大病院、電子カルテ大部分開示 9月から MRIやCT画像、病歴 登録医療機関と共有

MRI画像なども登録医療機関にインターネットで開示される岡山大病院の電子カルテ(データは架空)

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は9月から、利用登録した医療機関にインターネットを通じ、同意を得た患者の電子カルテの大部分を開示するシステムを運用開始する。従来は検査結果など内容が限られていたが、MRI(磁気共鳴画像装置)などの画像を含め詳細な情報を提供。地域病院や診療所との連携をスムーズにし、より良い地域医療の実現を目指す。

 岡山大病院の電子カルテ開示は2008年度に始まり、県内を中心に約30医療機関が登録。しかし、開示内容は病名、検査結果、経過記録に限られ、内容の少なさなどから利用は低調だった。

 活用の幅を広げるため、9月からはMRIやCT(コンピューター断層撮影)をはじめレントゲン、内視鏡の画像、医師の所見、病歴、投薬歴など参照可能なデータを大幅に盛り込む。

 患者の地元の病院・医院やかかりつけ医が岡山大病院での経過を知ることで、治療を引き継いだ後に検査の重複を避け、病状を正確に把握して急性期、回復期、慢性期の役割分担を明確にするメリットがある。

 利用登録してインターネット上の認証システムを導入すれば、無料で岡山大病院のサーバーから情報を得られる。文書で行っていた患者紹介や、診察予約もオンラインで可能になる。

 同様の制度は、長崎県大村市の医師会役員らが2004年から運営を始めた「あじさいネット」が先進的で、登録医療機関は同県内144施設に上っている。岡山県内では岡山済生会総合病院(岡山市北区伊福町)がMRI、CTなど画像や投薬歴、検査結果などの情報を提供する「岡山なでしこネット」を昨年4月から導入し、15医療機関が利用契約を結んでいる。

 岡山大病院医療情報部の合地明副部長は「カルテ開示が医療連携に果たす役割は大きい。患者と関係機関の理解を得て積極的な利用につなげたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年08月22日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ