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園尾氏(川崎医大教授)を表彰 松岡良明賞 乳がん検診、治療に尽力

越宗理事長から表彰状などを受け取る園尾氏(右)

 がん撲滅に貢献した個人、団体をたたえる第16回「松岡良明賞」の贈呈式が6日、岡山市北区柳町の山陽新聞社であり、川崎医科大(倉敷市松島)乳腺甲状腺外科学の園尾博司教授(63)=岡山市中区兼基=が表彰された。

 園尾氏は早期発見が重要な乳がんの撲滅に約40年間取り組んできた。マンモグラフィー(乳房エックス線撮影)の読影能力や視触診技術の高い医師を養成し、検診の精度アップに尽力。専門医が少ない県内地域での検診に協力、受診率アップにも努めた。

 乳房を残したいと願う患者のため、乳房温存術を全国に先駆けて導入。約千例の乳がん手術を手掛けた。転移を見極めてリンパ節の切除を最小限に抑える「センチネルリンパ節生検」という検査法を採用して術後の合併症を抑制。放射線科、形成外科などとのチーム医療も行い、患者のQOL(生活の質)向上に注力してきた。

 贈呈式では、山陽新聞社会事業団の越宗孝昌理事長が園尾氏に表彰状と賞金50万円を手渡した。園尾氏は「受賞は支えてくれた人々のおかげ。今後も岡山の女性のため、乳がん検診、治療の向上に努める」と述べた。

 同賞は山陽新聞社の故松岡良明元社長の遺族からの寄付を基に同事業団が設けた「松岡良明基金」による表彰。選考は岡山県健康づくり財団が行い、同事業団が決定。がん征圧月間(9月)に表彰している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年09月07日 更新)

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