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変形性膝関節症の予防「軽い運動で筋力強化」 阿部准教授(岡山大大学院)に聞く 若い時から習慣化を

「変形性膝関節症は早期に対処すれば手術せずに済むケースも多い」と話す阿部准教授

 老化による関節や筋肉、骨の衰えで介護を要する恐れが高まった状態は「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」と呼ばれ、整形外科医らが対策を呼び掛けている。中でも変形性膝関節症による膝の痛みを訴える高齢者が多く、深刻になると歩くのも難しくなる。日本整形外科学会が定めた「骨と関節の日」(8日)を前に、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の阿部信寛准教授(関節外科)に予防、治療法を聞いた。

 ―変形性膝関節症とはどんな病気か。

 脚の筋肉の衰え、骨の変形や軟骨のすり減りにより膝関節がスムーズに動かなくなって痛み、日常生活に支障が出る状態。中高年で起きることが多く、早期の対応が重要だ。

 ―どんな治療法があるのか。

 初期であればスクワットや片脚立ちなど軽い運動による筋力強化で改善できる。また、関節液の主成分であるヒアルロン酸の関節内注射は、エックス線画像で軟骨の異常が確認できないような軽い症例でも、関節液に粘りを与えて膝関節の動きを滑らかにする効果がある。O脚が原因であれば、足の外側を少し高くする「足底板」を靴の中などに装着する。

 ―重症化した場合は。

 MRI(磁気共鳴画像装置)で半月板の凹凸が確認できれば内視鏡手術で除去する。O脚は骨の一部を切り矯正する手術をすることがある。さらに悪化していれば人工関節に置き換える手術を行うが、症状によって部分的な置換で済む場合もある。

 ―有効な予防法は。 筋力が弱まって膝がぐらつくようになると、痛みが出て姿勢や歩き方が不自然になり、骨が変形したり、軟骨がすり減って一層痛みが激しくなる。この「負の連鎖」を起こさないため、20代から筋力維持に努めてほしい。椅子に座り、太ももに6秒間ぐっと力を入れて脱力する運動を10回繰り返す。これを朝昼晩に行うことを勧めている。かかとをしっかり地面に着ける正しい歩き方を習慣づけることも大切だ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月04日 更新)

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