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膵島移植の実施施設 岡山大認定 中国地方初 11日、患者登録開始

 日本膵(すい)・膵島移植研究会は4日、インスリンを分泌する膵島細胞を膵臓から抽出し、小児に多い1型糖尿病患者らの肝臓に注入する「膵島移植」の実施施設として、岡山大(岡山市北区)など3施設を新たに認定した。中国地方で初。徳島大、長崎大も認定され、国内の移植施設は京都大、東北大などと合わせて計9施設となった。

 膵島移植はカテーテル手術のため、身体的な負担が少ない。肝臓内で膵島細胞が機能すればインスリン注射療法から解放され、患者に大きな福音となる。国内でこれまでに行われた膵島移植は34件。

 岡山大は大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学教室の藤原俊義教授、野口洋文客員研究員が申請。脳死、心停止ドナー(臓器提供者)の膵臓から膵島細胞を分離、抽出した後、患者の肝臓血管中に50万個(5〜7CC)をカテーテルで注入。複数回の手術で30万個以上の細胞が機能すれば、インスリン注射療法から解放される。

 岡山大は日本膵・膵島移植研究会への患者登録受け付けを11日から始める。野口客員研究員は「いつドナーが現れても対応できるよう、早急に体制を整えたい」としている。

 岡山大は現在、心臓や肺、肝臓、腎臓、小腸の移植が可能。膵島細胞が加われば、ほとんどの臓器に対する移植ができるようになる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月05日 更新)

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