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「妊娠」正しい知識持ち考えて 岡山大大学院・中塚教授 県内の学校巡り講演活動

中塚幹也教授

 「妊娠」についての正しい知識を若者に広めようと、県産婦人科医会理事の中塚幹也・岡山大大学院保健学研究科教授が、県内の大学や中学・高校を巡って講演会活動に取り組んでいる。通常、30代後半にさしかかると妊娠しにくくなるが、「50歳以上でも自然に妊娠できる」と考える大学生が3割を超える現状があるため。中塚教授は「正しい知識をもって妊娠を真剣に考えてほしい」と呼び掛けている。

 中塚教授が今年4〜9月、県内の大学生317人に行ったアンケートで「自然に妊娠が可能な年齢は」と質問したところ、「40歳まで」が34・4%、「50歳まで」が29%だった一方、「50歳以上」と回答したのが36・6%。結果を踏まえ、中塚教授は「一般的には35歳ごろに妊娠しにくくなってくる。十分な知識を持っていない人が多い」と指摘する。

 その原因の一つとして、中塚教授は「体の変化や避妊を中心に教える中学、高校の性教育」を挙げる。加齢と妊娠の関係について学ぶ機会が少ないまま不妊に悩む女性が増えているという。

 厚生労働省によると、第1子を出産する平均年齢は2010年が29・9歳で、30年前から4歳ほど上昇。晩婚化などが原因で、不妊症に悩む夫婦は8〜10組に1組いるという。

 このため、中塚教授は10年ほど前から毎年5〜10回、県内の中学や高校、大学を回って性教育講演会を開催。妊娠適齢期は20代から30代前半で、性感染症は不妊症のリスクを高めることに加え、体外受精など最新の不妊治療も紹介している。

 中塚教授は「不妊治療は日進月歩ではあるが、万全ではない。人生を後悔しないためにも、若いときから妊娠についてよく知り、真剣に考えてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月20日 更新)

タグ: お産岡山大学病院

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