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岡山大がん治療製剤研究 JST補助に採択 効果向上へ

 岡山大発のベンチャー企業・桃太郎源(岡山市北区鹿田町)と同大病院(同)が共同開発するがん治療遺伝子「REIC(レイク)」によるウイルス製剤の効果と安全性を高める研究が26日までに、科学技術振興機構(JST)の補助事業に採択された。補助は5年計3億円で、同社などは自己資金1億円を合わせ、新たな臨床研究につなげる方針。

 今回の研究はヒトでの臨床研究用に開発した製剤を使い、レイクの運び役・アデノウイルス(風邪ウイルスの一種)の数を10分の1にしても、同等の効果が得られる新たな製剤づくりを目指す。レイクの発現をがん細胞だけで10〜100倍に強める仕組みを活用する。

 岡山大病院では現在、1ミリリットル中にアデノウイルスを100億〜1兆個入れた製剤を前立腺がん患者に投与する臨床研究を実施中。公文裕巳同大ナノバイオ標的医療センター長によると、現在の製剤でも副作用は現れていないが、「投与量が減れば安全性はさらに高まり、前立腺がんよりも腫瘍サイズが大きな腎臓がんなどへ、適応が拡大できる」という。

 レイクは同大が2000年に発見。正常な細胞にはほとんど影響はなく、がん細胞のみを自滅させ、がんに対する免疫を活性化させる効果があることが分かっている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年10月27日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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