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口臭の原因 硫化水素が歯周病悪化促進 岡山大病院・森田教授ら解明 予防や治療活用期待

森田学教授

入江浩一郎医員

 岡山大病院予防歯科の森田学教授と入江浩一郎医員らの研究グループは、口臭の原因物質である硫化水素が、歯を支える歯槽骨を溶かし、歯周病を悪化させていることを突き止めた。適切な口臭治療が、歯周病の予防・治療につながることが期待されている。

 今年に入り、新潟大のグループが口臭があると歯周病が進行するリスクが高いという研究を発表したが、口臭がどのように歯周病の悪化に関与しているかは不明だった。

 グループは、ラット28匹を正常群のほか、歯肉の溝に(1)硫化水素(2)歯周病菌由来の毒素(3)両方―を塗布した4群に分けて実験。1日後、炎症の原因となる炎症性サイトカイン(タンパク質)発現量や骨を溶かす破骨細胞数を比較した。その結果、(3)群では炎症性サイトカインは(1)(2)群の2、3倍多く発現し、破骨細胞は正常群の3倍、(1)(2)群の2倍に増えていた。

 入江医員らは(3)群が最も結果が悪かったことから、硫化水素が歯周病菌の毒素作用を増強し、破骨細胞を増やしているとみている。成果は米歯周病専門誌に掲載された。

 入江医員は「口内の硫化水素を少しでも減らすことが重要。歯や歯茎だけでなく、舌をきれいにすることが、歯周病予防に役立つ」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年11月04日 更新)

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