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健康に大切なこと 岡山済生会総合病院名誉院長 糸島達也

 内科医として、健康を保つために大切に思うことをお伝えします。一番は食生活ですが、がん検診なども欠かせません。

 まず、(1)塩分を控えよう。私は48歳の時、180~110の高血圧となり、すぐに漬物、梅干しを取るのをやめました。それ以来、現在まで減塩だけでコントロールできています。心臓、肝臓、腎臓の機能低下などで足が腫れてきますが、これも減塩で良くなります。梅干し1個は2グラムの食塩を含み、260CCの水を貯める力があります。

 (2)高コレステロールの人は、じゃこや卵、ケーキ、クッキー、まんじゅう、せんべい、エビ、カニなどを控えよう。特にじゃこは大切な食品ですが、食べ過ぎないように。

 (3)偏食をしない。年をとると自分の好きな物、簡単にできる物を作るようになります。日本中のスーパーに内臓のない刺し身や肉ばかりが多く並び、食卓から内臓が消えて久しい。レバーにはビタミンB12など種々のビタミン、鉄が保存されています。レバーや貝を食べましょう。赤血球の大きさ(MCV)は簡単に測れ、偏食の良い指標になります。

 (4)食べ過ぎに注意。おなかが出ている人、脂肪肝、メタボの人には「連れ合いが後半の人生を介護で消耗する」と伝えています。大部分の人は、4キロの減量で脂肪肝は改善します。

 (5)歩こう。1時間歩くと200キロカロリーを消費します。これは軽くご飯1杯、ビール1本、酒1合、リンゴ1個、クッキー一握りなどに相当します。たくさん飲食する人は、歩かなければ太ります。

 (6)がん検診を毎年受けよう。胃、大腸、乳、子宮、前立腺のがんなどは早期に見つけると治療ができて、これで亡くなることはありません。喫煙すると、肺がんになる確率が5倍にもなります。

 最後に、(7)前向きに生きて、人生を楽しみましょう。

(2011年5月19日付山陽新聞夕刊「一日一題」)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年05月19日 更新)

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