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最新の心臓病治療を 社会医療法人社団十全会理事長になった榊原敬さん

榊原敬さん

 心臓手術で国内有数の実績を誇り4月、創設80周年を迎えた心臓病センター榊原病院(岡山市北区丸の内)。運営母体の第4代理事長に今月13日、父宣(のぶる)氏(80)の後を継いで就任した。

 「少子高齢化、社会保障改革が進む中、医療現場のソフト、ハードの充実、選択と集中が私に課せられた使命。最新の心臓病治療を提供し、チーム力で病客さまが信頼、満足し心癒やせる病院にしたい」。開院来の患者呼称を交え、よどみなく話す。

 榊原病院は1932年開設。創始者の祖父亨氏(故人)が36年、心臓の外傷にガーゼを巻き付ける止血術に世界で初めて成功するなど、国内の心臓外科のパイオニアとなった。伝統は脈々と受け継がれ、心臓血管手術(ペースメーカーなど除く)は年間約550例、通算では国内屈指の約1万5千例に上る。

 医師の家系からこの道に入ったが祖父、東京女子医大教授を務めた大叔父仟(しげる)氏(故人)らが開拓した心臓外科は選ばず、父と同じ消化器外科へ。母校の順天堂大助手などを経て2001年、十全会副理事長となった。

 今年9月、榊原病院は系列のいしま病院(同伊島町)と統合移転し、同中井町に新病院(297床)が開院する。今春には心臓移植手術も手掛ける実力医を大阪大から迎え「糖尿病など関連疾患に診療領域を広げ、国内で不足が憂慮される外科医の養成にも努めたい」と語る。

 母校の医学部山岳部が長野県・燕岳(つばくろだけ、2763メートル)で行う夏山診療に毎年参加。「息抜きになる」とトップの表情を和らげた。岡山市在住、50歳。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年05月25日 更新)

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