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救急救命士がエコー検査 課題探る 岡山大病院、実証実験前に講習会

医師の指導を受けながらエコー検査を体験する救急救命士ら

 現在は法律で認められていない救急救命士による超音波(エコー)検査の実施に向け、課題を洗い出す講習会が13日、岡山市北区鹿田町の岡山大病院で開かれた。先端技術を活用し、医療・健康分野の課題解決を図る政府の「デジタル田園健康特区」に指定されている岡山県吉備中央町との連携事業。同大病院が運用するドクターカーへの装置搭載などを進め、来年3月から実証実験を行う。

 総合病院がない同町の救急医療は岡山市に大きく依存しており、その強化につなげるのが狙い。想定では、救急車内で救急救命士が、医師の指示をオンラインで受けながらエコー検査を実施。患者の容体に関するデータを搬送先の医療機関に事前送信することで、迅速かつ適切な治療が行えるようにする。

 講習会は県内の救急救命士ら28人が受講。同大病院の医師の指導を受け、人型シミュレーターに装置(プローブ)を接触させ、出血した患部を探り当てる訓練を行った。岡山市消防局の救急救命士(47)は「初めてなので難しかったが、回数を重ねれば対応できそうだ」と話していた。

 来年の実証実験では、ドクターカーに同大病院所属の救急救命士が乗り込み、患者役の医師の腹部などを検査する予定。同大病院の牧尉太助教は「課題解決に努め、医師の不足や偏在に悩む地域の救急医療体制を強化できるよう力を尽くしたい」と話していた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年12月13日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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