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広域医療 迅速連携を 直下型地震想定合同訓練

合同訓練で、災害現場からヘリコプターで搬送された重症患者を運ぶDMAT=岡山空港

負傷者のトリアージや入院患者の状況を対策本部でまとめる病院スタッフ=岡山済生会総合病院

 中国5県の災害派遣医療チーム(DMAT)でつくる「中国地区DMAT連絡協議会」は3日、岡山県南部を震源とする直下型地震を想定した合同訓練を行った。南海トラフ地震など大規模災害の発生が懸念される中、広域的な医療体制の迅速な確保を目指そうと実施した。同協議会が岡山を舞台に訓練を行うのは初めて。

 震度6強の地震で県南を中心に民家が倒壊し多数の負傷者が出たとの想定。約200人が参加した。県庁に災害医療本部を置き、岡山済生会総合病院(岡山市北区伊福町)など岡山、倉敷市の災害拠点病院3カ所へのDMAT派遣を他の4県に要請。岡山を含め31チームが出動した。

 岡山済生会総合病院にはDMAT5チームが到着。負傷者約100人の受け入れを想定し、治療の緊急度を決めるトリアージに取り組んだ。同病院は院内に対策本部を設け、入院患者への影響や医療設備に不具合がないか点検した。

 岡山空港(同日応寺)では、県内で処置できない重症患者の他県への搬送訓練。患者役の大学生が救急車や県消防防災ヘリ「きび」で災害現場から運び込まれ、DMATが容体をチェック。搬送の優先順位を決める手順を確認した。

 DMATの統括役となった森本直樹・津山中央病院救命救急センター長は「実際の災害現場は相当な混乱が予想される。スムーズな連携に向け、今回の訓練結果を検証したい」と話した。

 DMATは災害時に救急治療を行うため専門的な訓練を受けた医師、看護師ら5人程度で編成。中国5県では10月末現在、49の災害拠点病院に89チーム(463人)が整備されている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年11月04日 更新)

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