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旭川荘療育・医療センター、病棟新築し支援充実 14年秋開設

「旭川荘療育・医療センター」新病棟の完成予想図

 社会福祉法人・旭川荘(岡山市北区祇園)は11月下旬、障害者の医療施設「旭川荘療育・医療センター」の新病棟建設に着手する。他病院の新生児集中治療室(NICU)を退院した重症心身障害児を受け入れる病室や、発達障害児専門の診察室などを新設。障害者や家族が地域で暮らしながら必要な支援が受けられる総合施設として、2014年秋の開設予定。

 同荘は4月、障害児・者入所施設の「旭川児童院」「療育園」=いずれも同所=の医療機能を一本化し、既存施設を活用して同センターを開設した。

 計画では、両施設の一部を取り壊し、鉄骨5階延べ9400平方メートルを新築する。両施設には重度障害者の長期入所が多く満床状態のため、岡山大病院や川崎医科大付属病院など県内6病院のNICU退院児の受け入れが困難。病床不足解消へ3階に新たに10床程度を設ける。家族室も2部屋用意し、人工呼吸器の使用方法など在宅療養を学ぶ訓練も行う。

 発達障害児への相談や診察が増加傾向にあるため、4階に専門の診察室を新設する。1階には「障害者総合相談支援センター」を置き、いずれも同荘内にある発達障害対応の「おかやま発達障害者支援センター」、就労や住居探しなどをサポートする「岡山障害者就業・生活支援センター」の機能を集約。医療・福祉の相談をワンストップで受け付ける。

 2、4、5階には小児科、内科、リハビリ科など11の外来診療科や作業療法室などを配置する。総事業費は約20億円。県の第2次地域医療再生計画に基づく6億4千万円の補助を活用する。

 厚生労働省や県によると、障害者専門の総合的な医療施設は全国的にも例がなく、同荘は「家族らのニーズに応え、全国に先駆けた障害者医療のモデルにしたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年11月10日 更新)

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