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松岡良明賞 高畑氏の功績たたえる 胃がん治療に尽力、岡山で贈呈式

松田理事長から松岡良明賞を贈呈される高畑氏(左)

 がん征圧月間(9月)に合わせ、がん撲滅に功績のあった個人、団体を顕彰する山陽新聞社会事業団の第28回「松岡良明賞」贈呈式が8日、岡山市北区柳町の山陽新聞社で行われ、岡山済生会総合病院(岡山市北区国体町)の総合診療科診療部長の高畑隆臣氏(61)をたたえた。

 事業団の松田正己理事長が表彰状と賞金100万円を手渡した。25年にわたって胃がん治療に尽くした高畑氏は「恩師から学びながら、自分にできるやり方を探り、一つ一つ丁寧に向き合ってきた。受賞できたのは、同僚や看護師ら仲間のおかげ」と述べた。

 高畑氏は「患者本位」を信念に約1300例の手術に携わり、安全な手技の確立や患者のQOL(生活の質)向上に取り組んだ。特に、機械に頼らない緻密な手縫いの手技により縫合不全を防いできた。

 同病院で2017年までに行われた胃がん手術約4千例について、発病の経緯や手術内容、再発の有無などを約20年かけて調査・分析。手術が困難とされてきた進行がんに対し、手術と化学療法の併用により、最も進行した「ステージ4」の患者の5年生存率を向上させた。

 松岡良明賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設。その後、同社最高顧問の佐々木勝美氏、同相談役の越宗孝昌氏が各1千万円を寄託し、増額された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年09月08日 更新)

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