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旭川荘入所児童らの楽団5周年 五嶋みどりさんと6月共演

発足5周年記念コンサートに向けて練習する楽団メンバー=旭川荘

 旭川荘(岡山市北区祇園)の入所児童らでつくる楽団「旭川荘ミュージックアカデミー」が昨秋、発足5周年を迎え、同荘で6月、記念のコンサートを開く。楽団の立ち上げに携わった世界的バイオリニスト五嶋みどりさんがゲストとして来岡し、共演することも決定。晴れの舞台で成長した姿を披露する。

 音楽を通じて自己表現に磨きを掛けようと2007年10月、五嶋さんの提言で発足。知的障害児施設旭川学園、肢体不自由児施設旭川療育園に入所する13〜18歳の13人がトランペット、ドラムなど九つのパートを担当、音楽療法を学ぶくらしき作陽大(倉敷市玉島長尾)の学生の指導で、毎週土曜に約2時間の稽古に励んできた。

 当初は音を出すだけで精いっぱいだったという団員たちだが、学生が肩やひざをたたいてリズムを刻んだり、指の動きを実演するアドバイスでぐんぐん上達。「音程やタイミングのずれが次第に減り、曲の雰囲気が引き立つようになった」とフルートを指導する同荘いずみ寮の職員山下夏来さん(23)。

 練習の成果は、主に荘内の定期演奏会で披露してきた。運営をサポートする同荘の板野美佐子常務理事によると、練習を重ねるごとに一人一人の表情や態度に張りが出てきたという。「人前に出ても大きな声で堂々と振る舞えるようになった」と目を細める。

 本番は6月8日。五嶋さんとの共演は、岡山シンフォニーホール(岡山市北区)の舞台に立った09年以来2度目となる。演目は未定だが、得意とするビートルズの「オブラディ・オブラダ」、クラシックの「威風堂々」などから選定する。

 楽団の創設メンバーでアルトサックス担当の小谷哲也さん(16)は「楽器は今や僕の生きがい。打ち込めるものを見つけてくれた五嶋さんに感謝の気持ちを込め、全力を出し切りたい」と意気込んでいる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年03月05日 更新)

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