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生体肺移植小児患者らの回復祝う 岡山大病院

大藤チーフ(左)からくす玉の中に入っていたお菓子を受け取る小児患者ら

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で生体肺移植を受けた小児患者ら3人の回復を祝う会が30日、同大病院であった。子どもたちは、執刀医の大藤剛宏肺移植チーフや看護師らスタッフが手作りしたくす玉を割って手術の成功に感謝し、元気になったことを喜んだ。

 3人は、昨年11月に同大で100例目となる移植を受けた10代少年=関東地方▽2月手術の男児(7)=中国地方▽3月の女児(8)=九州地方。女児は5月中旬にも退院予定。あとの2人は既に退院していて、仮住まいから通院しているが、近く自宅に戻れるという。

 大藤チーフや看護師、家族が見守る中、3人がひもを引いてくす玉を割ると、お祝いのチョコレートなどお菓子が出てきて、子どもたちは笑顔で受け取っていた。

 少年は「今までありがとう。家族と旅行に行きたい」。家族は「見違えるほど元気になってくれてうれしい」と目を細めていた。

 2010年の改正臓器移植法施行で脳死臓器提供者は増えたものの、小児はほとんど現れず、子どもへの肺移植は親族からの「生体」しかないのが現状。大藤チーフは「医学的理由で脳死提供されなかった臓器の一部を活用する体制など、環境改善に力を尽くす」とした。

 同大病院の肺移植は、全国に先駆けて1998年に始まり、これまで生体と脳死合わせて107例。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年05月01日 更新)

タグ: 子供岡山大学病院

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