文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 津山中央病院に「がん陽子線治療センター」 中四国初、慈風会と岡山大が16年開業

津山中央病院に「がん陽子線治療センター」 中四国初、慈風会と岡山大が16年開業

津山慈風会と岡山大が共同運用する「がん陽子線治療センター」の完成予想図

 津山中央病院(津山市川崎)を運営する財団法人津山慈風会(同所)と、岡山大(岡山市北区津島中)は26日、中四国初の「がん陽子線治療センター」を同病院内に設置し、2016年3月から共同運用すると発表した。陽子線治療は高額な治療費が課題だが、がん病巣だけを死滅させるため副作用が少ないのが特長。中四国エリアにおける最先端のがん治療拠点として期待される。

 陽子線治療は放射線治療の一種。水素の原子核を加速して照射し、がん細胞だけをピンポイントで破壊する。任意の深さや範囲に陽子線を集中できるため、がん細胞を透過するエックス線など従来の放射線治療とは違い、正常な細胞の損傷を抑えられる。治療機関は兵庫県など全国8カ所、炭素の原子核を使う重粒子線治療と合わせると計11カ所にある。

 計画では、慈風会が約50億円を投じて津山中央病院の敷地内に鉄筋3階延べ3600平方メートルの治療センターを建設。センターには陽子線の加速器などを整備する。岡山大は専門医3、4人と機器の調整などを行う医学物理士らを派遣し、同病院と岡山大病院(岡山市北区鹿田町)の双方に外来窓口を開設。患者は16年3月から受け入れ、年間200―300人を想定している。

 適用できるがんは頭頸(けい)部、食道、肺、肝臓、前立腺など。照射は1日1回数分間で、がんの種類や状態に応じて10―40日間行う。治療費は照射の回数によらず約300万円という。

 岡山大で会見した森田潔学長は「今回の連携は岡山の医療水準の向上に寄与するだけでなく、地域活性化にも貢献できる」。慈風会の浮田芳典理事長は「地域の医療にとって非常に重要な事業。早期に軌道に乗せられるよう努めたい」と述べた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月27日 更新)

タグ: がん岡山大学病院

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ