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(1)腰痛になりにくい姿勢・動作とは? 岡山労災病院 中央リハビリテーション部長(理学療法士) 武田正則

武田正則部長

なぜ姿勢・動作なのか

 腰が痛い、と感じたことはここを読まれている皆さんのほとんどの方が思ったことがあるでしょう。実際の調査によると生涯での腰痛発症率は60〜80%と非常に高率であると言われています。しかし、これだけ多い腰痛という症状ですが、いろいろな原因があり治療法などもそれによってさまざまなものがあります。皆さんも腰が痛かった時には、さまざまなことを試されたのでないでしょうか?

 どうしても腰痛になると治療のことばかりが気になりますが、腰痛とくに慢性的な腰痛には、治療だけでなく予防ということが重要なポイントとなることも知っておいてほしいと思います。つまり、腰痛にならないようにすることが重要ということです。そのためには、筋を強くしたり体を柔らかくする腰痛体操や今回のテーマである腰痛になりにくい姿勢や動作を覚えて日常生活や仕事に生かすことが大切なのです。

基本的な姿勢とは?

 姿勢とは、例えば立っている姿や座っている姿などのことを言います。今回は、腰痛になりにくい基本的な姿勢である立っている姿(立位)、座っている姿(座位)、そして寝ている姿(臥位(がい))について説明します。

(1)立位

 立位の基本的な姿勢は図1に示すように、前かがみになったり後ろに反り返ったりせずに真っすぐに立っていることです。自分でわかりやすくするためには、壁に沿って立ってみてください。その際に、腰のところに手がぎりぎり入るくらいの隙間ができるぐらいが良いと言われています。よく隙間が空きすぎたり、真っすぐに立つのがつらかったりする人がいますので確かめてみてください。結構、おしりの筋と腹筋に力が入るのではないでしょうか。

(2)座位

 座位の場合には、前かがみの姿勢が最も腰痛になりやすいと言われています。それは、図2のようにその姿勢が腰椎椎間板や腰部の筋に負担が最もかかるからです。また、おしりを前にずらせて座ることも腰椎や骨盤を後ろに傾けすぎるために良くないと言われています。したがって、前かがみの姿勢やずれて座る姿勢は行わないようにして図3のようにしっかりとおしりを奥まで入れて真っすぐに座りましょう。また、姿勢を変えるときには足を交互に組んで座っても良いと言われています。

(3)臥位

 寝るときには、腰椎が前に弯曲(わんきょく)するうつ伏せは避けるようにして、横向きで背中を丸くするような姿勢やあお向けならば図4のような姿勢で少し丸くなって寝るようにするのが良いと言われています。

 これらの基本的な姿勢をもとに次回からは、日常生活上と仕事中での姿勢や動作について説明していきたいと思います。腰痛の方の痛みの軽減などに速効性があるわけではありませんが、日々の中で注意することにより少しでも腰痛の予防ができればと思いますので活用していただければ幸いです。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年01月21日 更新)

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