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(3)仕事中で注意する姿勢・動作とは? 事務職編 岡山労災病院 中央リハビリテーション部(主任理学療法士) 藤原修

藤原修・主任理学療法士

 今回は、事務仕事でよくある姿勢についてアドバイスしていきたいと思います。

 事務職など、椅子に長時間座ることが多い人に腰痛で悩んでいる方が多いのですが、実は座る姿勢というのは腰への負担がかなり高くなります。椅子に座り、机で作業する姿勢は腰椎の椎間板の内圧を高くするため、このような姿勢を長時間続けると、腰の生理的彎曲(せいりてきわんきょく)が失われ椎間板にアンバランスな力が加わり、腰痛を引き起こしやすくなります。

 仕事をいつも通りに勤めるためには、それぞれの場に合った、いろいろな工夫が必要です。

椅子座位

 事務職で多くとる姿勢は、椅子座位です。基本的には、身体が前かがみになったり反り返ったりしないことです。そこで、椅子座位の姿勢を考える時、まず椅子の高さが机に合うように調節します。図1のように、椅子に腰かけた姿勢を横から見て肘が体より少し前に出て机に着く状態で良いと思います。次に足の状態です。股関節・膝関節・足関節の角度は、90度くらいになる椅子の高さが適当です。足の裏が床に着かない場合は、台を使用し足を乗せましょう。

 身体と机の間隔は、握りこぶしひとつ入る程度になるよう椅子を引いて座ります。前かがみになるのを防ぎ、ある程度身動きがとれる程度の位置です。

 また、机の上の作業が、腰をひねらないでもできるように物を整頓することも大切です。そして、椅子は固定されず、自由に動く方がよいでしょう。また、足も時々前後に動かして仕事をしてみてください。書類なども、手を伸ばさないと取れないような位置に置かないようにしましょう。長い時間座る場合には、定期的に立ち上がってストレッチ体操を行うようにしてください。

立って行う仕事

 立ったままで行う仕事について説明します。立っている時間が長くなる時には、低い台を用意して片足ずつ交互に、足を乗せ替えてみましょう。腰への負担が減少し背中の筋肉の緊張も減少します。

歩く時

 歩く時の姿勢は、横から見ると背筋を伸ばして軽く顎を引き、自然に腕を振って上体をまっすぐに保ちます。また、踵(かかと)の高い履物は、腰に負担がかかります。できるだけヒールは、3センチ以下の低いものにしましょう。

物を取る時

 図2は、高い所の書類を取る姿勢です。物に手が届いたときに膝が少し曲がるくらいの高さの足台を用意し、決して爪先立ちの背伸びはしないでください。とにかく物を取ろうとするときは、正面に向き、膝を曲げた姿勢で、腰はあまりひねったり、曲げたりしない姿勢を習慣づけましょう。

 また、図3は、床の物を取る姿勢です。中腰のまま膝を伸ばして前かがみまたは、体をひねって取るのは、腰への負担が極端に増加します。しっかり腰を落として体をひねらないようにして取りましょう。

ストレスと腰痛について

 腰痛を引き起こす原因にストレスが関係していると最近の研究では報告されています。特に事務職においては、活動量が少なく体を動かす時間が短い人が多いように思われます。ストレスがたまると筋肉が緊張したり、血流が悪くなったりして、腰痛が引き起こされます。休日には、軽い運動をしてストレスをためないようにしてください。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年02月17日 更新)

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