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毛糸玉作りで機能訓練 旭川児童院入所者

「ぽんぽん」をあしらった携帯ストラップなどのアクセサリー

 社会福祉法人旭川荘が運営する重症心身障害児・者の施設「旭川児童院」(岡山市北区祇園)の入所者が、毛糸を丸めたアクセサリー作りに励んでいる。物作りの楽しみや達成感を味わえる機能訓練の一つ。「ぽんぽん」と名付け、携帯電話ストラップなどに加工、販売したところ「かわいい」と好評という。

 ぽんぽんは、毛糸を粘り気のある液状洗剤に浸した後、球状のプラスチックカプセル(直径5センチ)に入れて振ると徐々に丸くなり、乾くとほどよい硬さに固まる毛糸玉。毛糸の色によってカラフルな仕上げが可能だ。旭川児童院の作業療法士(OT)らが、箱を使って同様の作業を行う京都の施設の取り組みをヒントに考案し、2009年12月に始めた。

 同児童院によると、入所者の指や手は障害の程度で可動範囲が異なる。比較的自由に動く入所者には、棒状の持ち手を付けてマラカス形にしたカプセルを振ってもらう一方、物を握ったり持つことが難しい場合は電動マッサージ器などを活用して揺らす工夫をしたという。

 ぽんぽん作りは入所者4人が週1回取り組む。直径1〜3センチ程度の大きさに仕上げ、OTがストラップ、ブローチなどに飾り付けるほか、複数をつなぎ合わせたコースターにもアレンジ。毎年、同荘の秋祭りで展示販売しており「作るのが楽しみ。ぽんぽんを見に祭りにも来てほしい」と入所者(26)。

 OTの竹中佳子リハビリテーション主幹は「入所者たちは『早くぽんぽんしたい』などと笑顔が増えた。息の長い活動にしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年05月20日 更新)

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