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(1)頭痛 岡山ろうさい病院 女性のための総合外来担当医師 田端りか

たばた・りか 岡山朝日高、香川医科大卒。岡山大学病院、岡山国立病院、三菱水島病院等を経て、2005年6月から岡山労災病院勤務。08年9月から女性のための総合外来を担当。日本内科学会認定医、日本医師会産業医。

 最近多くの医療機関で設置されてきており、女性外来も認知度が上がってきています。婦人科医が担当する女性外来は、女性婦人科医師が婦人科疾患の患者さんに対応していますが、当院では女性内科医が担当で、主に婦人科疾患ではない女性患者さんに対応しており、婦人科疾患の患者さんは婦人科受診となります。

 「頭が重い」「吐き気がする」「頭が痛い」などの持続する症状に悩まされ、医療機関を受診して血液検査や頭部の検査を受けても「異常ありません」といわれ、痛み止めを処方されるだけ。痛み止めを内服すると少し良くなりますが、薬が切れるとまた痛くなるという繰り返し。原因不明の不安と痛みで途方に暮れて、女性外来を受診されます。

 頭痛は、(1)一次性頭痛と(2)二次性頭痛(3)頭部神経痛、中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛―と分類されます。一次性頭痛は片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などの器質性病変のない頭痛です。二次性頭痛は器質性疾患に伴った頭痛で血液検査や頭部の検査によって診断されます。頭部神経痛、中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛は、三叉(さんさ)神経痛、大後頭神経痛などが含まれています。

 二次性頭痛は脳腫瘍や脳血管障害などの重症化する疾患に起因することが多いので、診断がつき次第専門医に紹介します。

 一次性頭痛の片頭痛と緊張型頭痛が女性に多くみられます。片頭痛は悪心(おしん)・嘔吐(おうと)、光・音過敏などの随伴症状が特徴的で、頭痛の程度によらず出現します。治療は急性期に対する薬物療法と頭痛発作の軽減や急性期治療の効果増強などを目的にした予防療法があります。緊張型頭痛は頭頸部(とうけいぶ)筋群の過剰負荷(いわゆる肩こり)や心理的ストレスと関係しています。消炎鎮痛剤が有効ですが、予防として抗うつ剤、安定剤、筋弛緩(きんしかん)剤などが用いられます。また、誘因となる頸部・口腔(こうくう)の機能異常や社会心理的ストレス、日常生活や職業での作業状態や姿勢などに対する改善が必要とされます。

◇ 岡山ろうさい病院(086―262―0131)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年06月02日 更新)

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