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松岡良明賞に済生会病院の三村氏 山陽新聞社会事業団

三村哲重氏

 山陽新聞社会事業団(越宗孝昌理事長)は1日、がん撲滅に功績のあった個人、団体をたたえる「松岡良明賞」の本年度受賞者に、岡山済生会総合病院(岡山市北区伊福町)院長代理の三村哲重氏(65)を決めた。表彰は9月9日、同柳町の山陽新聞社で行い、表彰状と賞金100万円が贈られる。

 三村氏は、消化器外科の中でも難度が高いとされる「肝胆膵(すい)領域」の治療が専門。25年にわたり肝臓がん、胆道がん、膵臓がんの手術を積極的に行い、安全な手技の確立と治療成績の向上に取り組んだ。この領域の手術数は肝臓がんの1092例を中心に計1793例(2013年末現在)と、中四国で屈指の実績を誇る。

 特に高度な技術を要する「膵頭十二指腸切除術」では、再建時に直径2〜3ミリの膵管と小腸(空腸)を細密につなぐ「膵管空腸吻合(ふんごう)法」を確立。膵液の漏出による合併症を減らすとともに、化学療法を併用することで5年生存率を20%台から30%台に高めた。

 日本肝胆膵外科学会の高度技能指導医として後進の育成にも尽力。「安全と根治性を両立させる手術」を目指し、日々診療に当たっている。

 同賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設され、今回が19回目。審査は岡山県健康づくり財団が行い、山陽新聞社会事業団が決定している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年07月02日 更新)

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