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風疹の無料抗体検査受診低迷 岡山県が啓発リーフレット

 岡山県と岡山、倉敷市が本年度から始めた風疹の無料抗体検査の利用が低迷している。昨年の全国的な大流行を受け、全市町村を対象に約5200人分(約3300万円)を予算計上したが、4~6月の受診者は765人と2割に満たない。妊婦が感染すると、胎児が難聴や心疾患といった「先天性風疹症候群(CRS)」になる恐れもあるため、県などは利用を呼び掛けている。

 県健康推進課によると、風疹の予防接種は1995年度に集団接種から任意の個別接種に切り替わった。そのため、女性は大半が妊娠を控えて接種する半面、男性は減る傾向にあり、20~40代を中心に抗体を持たない人が少なくないという。

 感染症に詳しい川崎医科大の寺田喜平教授によると、風疹の感染力は強く、「たとえ妊婦が抗体を持っていても、夫が感染すればCRSのリスクは生じる」と強調。実際、昨年、血液中の抗体の量が少ない男性が感染源となるケースもあった。県内ではCRSの報告はなかったものの、過去5年で最多の男女76人が発症した。

 県などは啓発リーフレットを4万部作製し、市町村や保健所で配布。「まず検査を受け、抗体の有無を確認し、予防接種につなげてほしい」としている。問い合わせは同課(086―226―7331)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年09月27日 更新)

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