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プロの歌手とオペラ出演へ 旭川学園、療育園生徒ら

オペラの練習に励む旭川学園、旭川療育園の生徒や職員ら=10月21日、旭川敬老園

 社会福祉法人旭川荘(岡山市北区祇園)の知的障害児施設・旭川学園と肢体不自由児施設・旭川療育園に入所する生徒たちが来年3月15日、岡山シンフォニーホール(同表町)でプロの歌手とともにオペラに出演する。同荘と交流がある音楽プロデューサーの瀧井敬子さん(67)=東京都=が企画。生徒たちは大きな舞台で歌声を元気に響かせようと練習に励んでいる。

 瀧井さんは昨年、旭川荘厚生専門学院(岡山市北区祇園)に古くからあるピアノを調査し、希少価値の高い国産初のフルコンサートグランドピアノであることを確認。その縁で「音楽活動に使ってほしい」と同荘に寄付金を贈るとともに、「表現力や積極性を養うのに適している」などとして同荘創立60周年記念行事に合わせたオペラ上演を提案し、実現した。

 上演するのは、足に障害がある少年とその母親との親子愛を描いた「アマールと夜の訪問者たち」。瀧井さんの旧知のオペラ歌手らが出演するほか、生徒たちが歌いやすいように作品を和訳した。旭川荘からは両施設の中等部、高等部生徒10人程度と職員合わせて約30人が羊飼い役を演じる。岡山フィルハーモニック管弦楽団(岡山市)も参加し、出演者は総勢約60人になる見通し。

 練習は週1回約1時間半、旭川敬老園(同市北区祇園)の多目的ホールで行い、旭川荘厚生専門学院の音楽教員らが指導。10月21日の初練習は約30人がソプラノ、アルトなど各パートに分かれ音程合わせなどをした。瀧井さんは「恥ずかしがらずにもっと感情を前に出して」「歌詞の意味を理解して」などとアドバイスしていた。

 旭川療育園の14歳女子は「音程を保つのが難しかった。しっかり練習して、本番はきれいにハモりたい」と笑顔で話していた。

 同荘の板野美佐子理事は「オペラはみんなと協力して一つのものを作り上げていく過程を学べる。子どもたちには積極性を身に付けたり、今までにない自分を発見してもらいたい」と話している。

 午後3時開演。チケットは11月25日から発売する。入場料はS席3千円、A席2500円、B席2千円。問い合わせは岡山シンフォニーホール(086―234―7177)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年11月11日 更新)

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