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旭川荘竜ノ口寮で散髪奉仕40年 岡山聾学校理容科の生徒

ボランティアで散髪をする岡山聾学校高等部理容科の生徒

 岡山県立岡山聾(ろう)学校(岡山市中区土田)高等部理容科の生徒が、旭川荘(同市北区祇園)の身体障害者支援施設・竜ノ口寮で40年以上、散髪のボランティアを行っている。学んでいる理容の技術を生かせればと毎月1回欠かすことなく続けてきたといい、利用者から感謝されている。

 旭川荘の各施設の入所者は外出が難しく、散髪に困っているという話を聞き、1974年4月にボランティアを開始した。ピーク時の30年ほど前には約20人が在籍していた理容科だが、入学者の減少などで現在は2人。それでも毎月、いずれかの水曜日に竜ノ口寮で奉仕している。

 10月22日も、専攻科の西竜生さん(19)と本科1年の永野花奈さん(16)の2人が、担当教諭3人とともに竜ノ口寮を訪れた。“お客”となった入所者は12人。好みの髪の長さなどをジェスチャーで一人一人確認し、バリカンやはさみで丁寧に整えた。頬やうなじをそるときはカミソリを肌に当てる角度などを教諭から教わる場面もあった。

 「生徒さんの懸命な姿勢に元気をもらっています。入所して10年ほどになりますが、これまで何度も利用しました」と入所者の下村住子さん(74)。

 永野さんは「もっとうまくなり、立派な理容師を目指したい」、引率した岸本宣治教諭(46)は「生徒は人のために役立っていると実感しているようだ。地域貢献として今後も続けたい」と話している。 
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年11月30日 更新)

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