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母乳育児相談室が好評 岡山大病院、専門家が助言

大井准教授(右)に母乳育児の相談をする母親=岡山大病院

 母乳による子育てに関する悩みに応じる岡山大病院(岡山市北区鹿田町)の「母乳育児相談室」が好評だ。2004年度の開設以降、利用者は年々増え、10年間で延べ3千人余りに達した。専門家による具体的なアドバイスが、不安を抱える母親たちの心の支えになっているようだ。

 助産師でもある岡山大大学院保健学研究科の大井伸子准教授が運営している。母乳の出が悪い▽乳腺炎などのトラブル▽赤ちゃんがうまく吸わない―といった相談にじっくり耳を傾け、実際に授乳しながらタイミングや姿勢などを細かく助言。必要があればマッサージを施す。

 今月初め、間もなく3カ月を迎える長女と訪れた母親(39)=岡山市北区=は「なかなか上手に授乳できず、悩んでいた。相談する場所があるだけで安心できる」と話した。

 母乳育児は、成長に必要な栄養素のほか、免疫物質が得られるとして世界保健機関(WHO)などが推奨している。厚生労働省によると、妊婦の96%が母乳で育てたいと考え、実際に母乳を与える(混合栄養を含む)割合は生後1カ月で95%、3カ月で80%という調査結果がある。

 ただ、出産した病院などでの授乳支援は、1カ月健診を機に途切れることが多いとされる。軌道に乗るまで2、3カ月かかるケースもあり、一人で悩んだり、インターネットなどの掲示板に相談を書き込んだりする人もいるといい「母乳にこだわりすぎて心のバランスを崩す人もいる」(同相談室)。

 岡山大は、こうした母親たちの支援を目的に相談室を開設した。初年度に165人だった利用者は年々増加し、13年度には448人と2・7倍に達した。大井准教授は「授乳がうまくいくことで母親としての自信にもつながる。母乳が足りないと思えば、粉ミルクで補えばいい。無理をせず、母乳育児を続けられる支援を心掛けたい」と話す。

 相談は予約制(有料)。原則、毎週金曜日の午後2時~4時に開設する。問い合わせは大井研究室(086―235―6848)または岡山大病院総合患者支援センター(086―235―7744)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年03月22日 更新)

タグ: 女性子供岡山大学病院

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