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自己臍帯血抽出幹細胞投与の男児退院 倉敷中央病院

 脳性まひを引き起こす「低酸素性虚血性脳症」の男の赤ちゃんに、へその緒に含まれる自分の臍帯血(さいたいけつ)から抽出した造血幹細胞を投与し、脳性まひを予防する国内初の治療をした大阪市立大や倉敷中央病院(倉敷市美和)のチームが29日、男児の経過は良好で、同病院を退院したと発表した。

 チームによると、男児に後遺症などの異常は見られないという。退院は28日で、今後は通院しながら経過を観察する。

 治療を担当した同中央病院の渡部晋一総合周産期母子医療センター長(小児科)は「治療を安全に実施できて良かった。今後、より多くのお子さんを助けられるようになるだろう」と話した。

 同病院によると、男児は4月28日に岡山県の20代の女性が出産。仮死状態から蘇生したが、低酸素性虚血性脳症と診断された。

 低酸素性虚血性脳症になると、脳に十分な血液が行き渡らず、脳性まひにつながる。治療では、体温を低く保って脳細胞を保護する「低体温療法」を併用し、血管の細胞に変化する幹細胞を点滴で体内に投与した。脳内で血管の細胞に変化させ、脳に生じる障害の改善や予防を狙った。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年05月30日 更新)

タグ: 健康子供倉敷中央病院

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