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「見えない障害」理解して支援を 倉敷のシンポで事例発表など

「見えない障害」への理解を求めたシンポジウム

 てんかんや高次脳機能障害のある人と家族を支援するNPO法人「おかやま脳外傷友の会モモ」(倉敷市西坂)は31日、同市笹沖のくらしき健康福祉プラザで、外見からは分かりにくい「見えない障害」への理解を深めてもらうため、初のシンポジウムを開いた。

 モモの滝川敬三会長らが、まちで無意識のうちに女性に触れてしまい、痴漢扱いされたてんかんと高次脳機能障害者の2事例を発表した。原因となった症状について川崎医療福祉大(倉敷市松島)の種村純教授(臨床神経心理学)が解説。てんかんの場合は「発作で体の動きをコントロールできなくなったため」、高次脳機能障害では「体の半分の感覚を認識できなくなる症状のため」とし、いずれも故意ではないと強調した。

 高次脳機能障害の兄弟がいる南石知哉弁護士=大阪弁護士会、倉敷市出身=は「てんかんや障害のある人が事件に巻き込まれたときは、法律の専門家に連絡してほしい」と訴えた。

 市民ら約100人が聞き入った。てんかんなどを患う知人がいるという倉敷市の女性(36)は「病気や障害の正しい知識が広がれば、発表された事例のようなトラブルが減るのではないか」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年01月31日 更新)

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