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広がる認知症支援 早期発見へチーム立ち上げ

認知症の人への支援について話し合う倉敷市の初期集中支援チームの医師ら

 認知症の人を早期に見つけ医療、介護サービスにつなぐ「認知症初期集中支援チーム」を立ち上げる動きが岡山県内の自治体で広がりつつある。医師を中心とする専門家たちが、認知症であるにもかかわらず適切なサービスを受けていない人たちを見つけ、地域で暮らし続けられるように支援を差し伸べるのが目的。現在、岡山、津山、新見、倉敷、鏡野の4市1町で立ち上がっている。

 初期集中支援チームは、医師や保健師、看護師、社会福祉士らで構成。自宅を訪れて本人や家族から生活状況などを聞き取り、どのような医療、介護支援が必要かを協議する。認知症を患っている人や家族は周囲にその事実を隠していることも少なくなく、どのように対象者を把握するかが課題とされている。

 チームの設置は国の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の柱の一つと位置づけられており、2018年度までに全国の全市町村が立ち上げるよう求めている。

 岡山県内で既に発足している5市町のうち、倉敷市は、倉敷スイートホスピタル(同市中庄)、片山内科クリニック(同市寿町)、藤戸クリニック(同市藤戸町藤戸)、しげい病院(同市幸町)の4医療機関の協力を得て、各施設に1チームずつ立ち上げた。各チームは、県が指定する認知症疾患医療センターの川崎医科大病院(同市松島)、倉敷平成病院(同市老松町)とも連携を図りながら、適切な支援につなげる。

 3月下旬、メンバーの顔合わせとなる第1回検討会をくらしき健康福祉プラザ(同市笹沖)で開催。今後のスケジュールや、かかりつけ医の協力をどのように得ていくかなどを話し合った。

 岡山市が岡山赤十字病院(同市北区青江)と慈圭病院(同市南区浦安本町)の協力を得てチームをつくるなど、他の4市町も本格的な協議を重ねている。

 本年度は、玉野市や浅口市、井原市、総社市などがチームを立ち上げる予定。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年04月18日 更新)

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