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がん病巣に陽子線照射スタート 津山中央病院の「治療センター」

陽子線照射のスイッチを押す藤木病院長(左)

 津山中央病院(津山市川崎)が院内に整備した中四国初の「がん陽子線治療センター」で28日、病巣に放射線を当てる治療がスタートした。平日は原則として毎日、患者への照射を行う予定で、国内11カ所目となるがん治療拠点施設が本格的に動き出した。

 陽子線治療は放射線治療の一種で、水素の原子核を加速し、病巣の大きさや深さに合わせピンポイントで破壊できるのが特長。正常な細胞への影響が抑えられ、手術のような臓器摘出がないため、日常生活を続けながら治療もできる。費用は照射回数にかかわらず約300万円で小児がんのみ保険適用。1月から外来の受け付けを始め、治療は厚生労働省の認可を待っていた。

 初日は前立腺がんの6人に治療を行い、最初の県内男性に対する様子が報道陣に公開された。男性が照射室のベッドに横になると、診療放射線技師が照射位置をレントゲンで確認。医師や看護師、機械メーカー関係者ら約50人が見守る中、藤木茂篤病院長がスイッチを押し、約20秒間の照射を2回行った。

 現在、計17人が治療を受ける予定で、藤木病院長は「総合病院としての入院機能を備える施設としては西日本唯一。基礎疾患を持つ患者にも対応し、広く地域に貢献したい」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年04月28日 更新)

タグ: がん津山中央病院

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