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津山市、官民で医療ツーリズム がん陽子線治療と観光組み合わせ

 6月定例津山市議会は14日、一般質問を続行し、4氏が市政全般をただした。市は、津山中央病院(川崎)が院内に整備した中四国初の「がん陽子線治療センター」での治療に観光や食を組み合わせた医療ツーリズム事業に官民共同で乗り出す考えを示した。

 陽子線治療は、がんの部位や症状によって通常2~8週間の治療が必要とされており、期間中の滞在プログラム提供で地域活性化に生かす狙い。市地域創生戦略室によると、同様の治療施設は国内に11カ所あるが、近隣の中国や韓国には数カ所しかなく、家族を帯同した多くの外国人患者の来訪も期待できる。

 常藤勘治特別理事は「インバウンド(海外からの誘客)を含む新たな人の流れを創出し、地域の活性化を図る基盤を構築したい」と意欲を述べた。

 計画では、年内にも外国人を含む2泊3日程度のモニターツアーを開催。津山の魅力に触れてもらいながら、移動や宿泊、言葉のコミュニケーションで不便だったことなど課題を指摘してもらい、本年度中に日帰りや治療のない週末を利用した各タイプのプログラムを起案する。病気への不安を少しでも和らげてもらえるよう、コースには体に優しい地元産の食材を使った料理や温泉、工芸品作りなどを想定している。

 旅行会社や日本貿易振興機構(ジェトロ)と連携し、2017年度にかけてニーズ調査も実施。早い段階での事業化を目指す。

 本年度の事業費は4千万円。国の地方創生加速化交付金を活用する。

 また、市は、JR津山駅で列車入線時に郷土ゆかりのメロディーを本年度中に流せるようJR側と協議していることを明らかにした。高務雅彦産業経済部長は「津山にゆかりがあり、皆さんがよく知っている曲を選び、観光や駅利用の活性化を図りたい」と答えた。

 この日質問したのは、安東伸昭、広谷桂子、金田稔久、小椋多の各氏。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年06月14日 更新)

タグ: がん津山中央病院

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