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四肢まひの重度障害越え 夢あきらめず活躍 流王さん(岡山大病院医師)自立大賞

ありのまま自立大賞に選ばれた岡山大病院精神科医師の流王雄太さん

 仙台市の社会福祉法人・ありのまま舎が全国の障害者を対象にした「第九回ありのまま自立大賞」に、四肢まひの重度障害を負いながら岡山大病院精神科医師として働く流王雄太さん(40)=岡山市=が選ばれた。電動車いすで診療する流王さんは「けがや病気で夢をあきらめる必要はない。そう思って歩んできた生き方が認められてうれしい」と話している。

 流王さんは一宮高一年だった一九八二年、所属していたラグビー部の試合中に首を骨折、四肢まひとなった。苦しいリハビリに耐え、約一年半後に復学。母親や友人らの支えを受け、八七年に岡山大理学部に入学した。

 大学院進学後、山形県に電動車いすの医師がいることを知って勇気づけられ、医者の道を志した。九五年に同大医学部に再入学。指が動かないことから解剖実習などには困難があったが、グループでの実習やリポート提出などでクリアした。医師国家試験に合格し、二〇〇一年から岡山大病院に勤務している。

 現在はアシスタントの女性にカルテ筆記を手伝ってもらいながら、主に入院患者を診察。後遺症のため体温調節が難しいことや移動などに苦労しながらも「つらいと思うことはない」と流王さん。「障害者が健常者と同じ土俵に立つことに困難は多いが、障害があっても医師になりたい人は夢をあきらめず、私の後に続いてほしい」

 一九九九年に創設の自立大賞は、全国の障害者を対象に自己の生活を自ら切り開き、前向きに活躍する人を表彰。二〇〇〇年に初の受賞者が選ばれたが、その後六年連続で該当者がなく、流王さんが二人目。授賞式は五月六日に仙台市のホテルで、ありのまま舎総裁の三笠宮寛仁さまを迎えて行われる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年04月21日 更新)

タグ: 福祉岡山大学病院

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