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高齢者の低栄養改善へ啓発イベント 岡山で9日、医師らが予防策助言

 高齢者の2割近くが「低栄養」とされる現状を改善しようと、岡山県内外の医師や管理栄養士らが9日午後2~4時、JR岡山駅地下のももたろう観光センター前で啓発イベントを開く。簡易検査などを通じて、寝たきりや要介護を招くリスクを高める低栄養について理解を深めてもらい、予防の方策をアドバイスする。参加無料。

 「元気に食べてますか?」をキャッチフレーズにした全国的な活動の一環で岡山では初開催。医療、福祉に携わる幅広い職種でつくる「チーム医療フォーラム」(事務局・千葉県)が主催する。

 当日は全国から約70人の医師、歯科医師らが駆け付け、加齢とともに筋肉量が減る「サルコペニア」の危険度を知ってもらうための簡易検査を行ったり、問診したりする。管理栄養士が食事についての相談にも乗る。

 厚生労働省の調査で低栄養傾向の高齢者は17・8%(2014年)に上る。健康維持に必要なカロリーや栄養素が不足すると、骨量や筋肉量、免疫力の低下をもたらし、さまざまな病気につながる恐れがある。また高齢者の孤立が栄養状態の悪化を招くことも指摘されている。人と接する機会が減ると、活動量が低下し食欲がなくなり低栄養となる。すると、さらに外出が減る悪循環に陥るからだ。

 事務局を務める岡山済生会総合病院の犬飼道雄内科医長は「家族や近所で身近なお年寄りを気遣うことが大切」と話し、栄養療法に取り組む医療職でつくる日本静脈経腸栄養学会の東口高志理事長は「医師らが街に一歩踏み出し、低栄養問題を啓発することで、症状悪化を食い止めたい」と多くの参加を呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年10月06日 更新)

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