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腎臓病センター移転開設 岡山済生会総合病院

岡山済生会総合病院の腎臓病センター。血液透析ベッドを25床備えている

腹膜透析の患者が、来院時に透析液バッグを交換できるよう機器を取りそろえている

 岡山済生会総合病院(岡山市北区国体町)は、旧本館を改修した付属外来センター(同伊福町)に、「腎臓病センター」を移転オープンした。血液透析ベッドを増やすなど大幅に機能を強化しており、より多くの透析患者に対応することを目指している。

 腎臓病センターは、改修に伴い暫定移転していた新病院から、8月に移転。週3回通院して1回当たり約4時間かかる血液透析治療に対応するため、外来患者用に血液透析ベッド25床を備える。現在外来治療を受けているのは約50人だが、新たな患者が増加すれば、午前だけでなく午後も透析を行うようにしたり、将来的には50床までベッドを増やすことを想定している。糖尿病性の透析患者が全体の4割を占め、潰瘍や壊死(えし)など足のトラブルを起こしやすいことから、足を丁寧に観察しケア方法を指導する「フットケア指導室」も設けている。

 また透析には、腹部に留置したカテーテルから腹腔(ふくくう)内に透析液を出し入れして体内の不要な老廃物などを取り除く「腹膜透析」(CAPD/APD)という方法があり、在宅で患者自身が透析液バッグの交換を行う。同病院は、腹膜透析を扱う全国でも有数の施設として知られており、現在は約80人が選択している。新センターには専用の診察室を2室設け、月1、2回の通院に対応。来院時にバッグ交換できる専用室もある。

 同病院腎臓病センターは1993年に開設。血液透析ベッド20床を備えていたが、入院・外来患者両方に対応していたため、毎年60~80人いる新規透析患者を外来で十分受け入れることが難しかった。透析用に血液の出入り口となるシャントの作成(腕の静脈と動脈をつなぎ太い静脈にする手術)を行った上で、症状が安定している患者は自宅近くの別の病院と連携して血液透析するケースが多かった。

 しかし「高齢化が進んだことで腎臓病以外にも複数の疾患がある患者が増え、総合病院で管理した方がよいケースが年々多くなっている」と丸山啓輔センター長。外来での血液透析受け入れを、より充実させることになったという。新病院には透析ベッド13床があるので、入院患者にもこれまで通り対応可能だ。丸山センター長は「今後も地域の病院との連携を続けつつ、腹膜透析だけでなく血液透析にも力を入れ、基幹病院としての役目を果たしていきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年11月07日 更新)

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