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岡山大が中性子医療センター開所 最新のがん放射線治療法確立へ

看板を除幕する岡山大の関係者

 岡山大は9日、最新のがん放射線治療法の確立へ向けて、同大鹿田キャンパス(岡山市北区鹿田町)内に本年度開設した学内拠点「中性子医療研究センター」の開所式を同センターで行った。

 センターで研究するのは「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」と呼ばれる治療法。がん細胞にホウ素を取り込ませた後、放射線の一つ、中性子線を照射してがん細胞の内部で核分裂を起こし、がん組織を破壊する。正常細胞へのダメージが少なく、照射回数が限られ経済的負担を軽減できる利点がある。

 式には関係者約50人が出席。槇野博史学長が「新しい医療技術を開発することで皆さんのお役に立ちたい」とあいさつし、同大理事らとセンターの看板を除幕した。

 センターは32人(兼任含む)体制で、岡山大が取り組んでいる薬剤の開発と動態の解析▽名古屋大が担う中性子線を作り出す装置(加速器)の開発▽臨床研究―など5部門からなる。放射線治療の国際規制とガイドラインの策定を担う国際原子力機関(IAEA)、国際連携部門に寄付講座を開く鏡野町などとも協力。5年後の実用化と同町への基礎研究所・病院建設を目指す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年05月09日 更新)

タグ: がん岡山大学病院

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