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「骨の無料相談室」開設 社会医療法人・鴻仁会 骨粗鬆症マネージャーが助言

骨の無料相談室では、専門知識を持った骨粗鬆症マネージャーが相談に応じる

骨の無料相談室を担当する骨粗鬆症リエゾンチームのメンバー

骨粗鬆症リエゾンチームは、それぞれの専門知識を共有するため、週1回の勉強会を行っている

 岡山中央病院(岡山市北区伊島北町)などを運営する社会医療法人・鴻仁会は、骨粗しょう症による骨折を減らそうと、「骨の無料相談室」を開いている。専門知識を持つ医療スタッフが、患者へのアドバイスや地域への啓発活動に力を入れている。

 鴻仁会は2015年に「骨粗鬆(しょう)症リエゾンチーム」を結成し、16年11月からセントラル・クリニック伊島(同所)内に相談室を開設。日本骨粗鬆症学会が認定する「骨粗鬆症マネージャー」の資格を持つ薬剤師、管理栄養士、理学療法士、診療放射線技師、臨床検査技師の計5人が相談を担当し、セントラル・クリニック伊島の金重恵美子院長がアドバイザーを務めている。

 相談室では、問診で日々の食事や運動、生活習慣などを聞き取り、10年後の骨折リスクを予測する。骨粗しょう症の予防や改善に効果がある食事や、骨折を防ぐ運動などを具体的に指導し、治療が必要な場合には受診を勧める。

 現在は、岡山中央病院、セントラル・クリニック伊島、岡山中央奉還町病院(岡山市北区奉還町)など関連施設の通院・入院患者や、県内外からの電話など月十数件の相談に応じている。「骨粗しょう症は気になるが、どの診療科を受診してよいか分からない」という人も多く、症状に応じて整形外科や婦人科など最適な診療科を勧めている。

 さらに地域の人にも知識を広める活動も展開している。公民館などで講演会を開催しているほか、17年3月にはホームページを開き、病気についての解説や予防策のほか、骨粗しょう症のリスクを調べるチェックリストを公開している。

 骨粗しょう症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気。日本の患者数は約1280万人で、特に女性は閉経前後の50歳を超えると、3人に1人が発症するといわれる。背骨がつぶれて折れたり、背中が曲がるなどの症状が出るが、痛みがないまま放置されているケースも多く、そのまま治療されていないことが問題となっているという。

 相談室メンバーは「骨の健康は、若い時から意識することも大切。活動を通じ、幅広い年代に応じた予防を呼び掛け、地域の健康寿命を延ばすことにも貢献したい」と話している。

 骨の相談室については、ホームページ(http://www.kohjin.ne.jp/liaison/)で確認できる。問い合わせ、相談はセントラル・クリニック伊島の同相談室(086―214―5678)で受け付けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2017年06月05日 更新)

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