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歯周病予防に「つまようじ法」 炎症抑え細胞活性化 渡辺達夫・岡山大名誉教授が提唱

模型を使い、つまようじ法を実演する渡辺名誉教授

 歯が動いたり抜けたりする歯周病(歯槽膿漏(のうろう))は、日本人の成人の約八割が発症する“国民病”だ。岡山大歯学部の渡辺達夫名誉教授は、自宅で手軽に取り組める治療・予防法として、歯や歯茎をつつくように磨くことで炎症を抑える「つまようじ法」の実践を呼び掛けている。

 歯周病は、歯と歯茎のすき間への細菌感染により、歯茎が腫れたり膿(うみ)がたまり、歯を支える歯槽骨が溶けてしまう病気。

 つまようじ法は、渡辺名誉教授が約二十年前に編み出した手法。歯に対して歯ブラシの毛先を斜めに押し込みつつくように磨く。フッ素入りの歯磨き粉を少量付け、一個所につき十―二十秒程度、消しゴムで強く消すぐらいの力でブラッシングするのが最適という。

 「歯と歯の間の歯垢(しこう)を取り除くことで炎症を抑え、同時に歯茎をマッサージして細胞の活性化を促す効果がある」と渡辺名誉教授。さらに口臭予防もできるという。

 歯周病の三十代男性患者が二週間実践したところ、以前は歯茎の約八割から出血していたが、一割程度にまで改善。歯茎が腫れ、歯と歯茎の間にできる歯周ポケットもほぼなくなっていた。

 渡辺名誉教授は「歯を抜く原因の第一位は虫歯ではなく歯周病。一生自分の歯で食べるためにも、つまようじ法で歯周病を予防してほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年08月09日 更新)

タグ: 健康岡山大学病院

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