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地域の救急医療充実へ 総合センター構想案公表 岡山市と岡山大連携

岡山総合医療センター構想案が示された会合

 新たな地域医療体制の構築に向けて岡山大と連携協議を進めている岡山市は10日、「岡山総合医療センター(仮称)構想」案を公表した。すべての症状の患者を受け入れる「岡山ER(救急外来)」を設置し、地域救急医療の充実を進めるとともに、センターに医療・保健・福祉分野の連携機能を持たせ、病気予防から介護まで切れ目のないサービス提供を図るのが柱。

 この日、市役所で開かれた両者の第2回会合で示された。開設の時期や場所は未定。

 ERでは24時間365日、すべての症状の患者を受け入れて初期診療を行う。軽症患者の増加で本来の対応に支障が出ている2次・3次救急医療機関などの負担を減らし、適切な救急医療体制の再構築を図る狙い。併せて、研修医らの教育・研修の場とすることで安定的な医師の確保にもつなげる。

 ERで入院や手術が必要と判断された患者は、センター内の各診療科のほか、岡山大病院(同市鹿田町)や岡山赤十字病院(同市青江)など他の医療機関に引き継ぐ。

 センターでの診療については、高齢化に伴って増加が見込まれる脳疾患や心疾患、呼吸器疾患を「特に対応が求められる」とする一方、周産期や小児救急などは「医療機能の集約化が進んでいる」として、他の医療機関との連携を前提とする考えを示した。

 このほか、人材育成では、岡山市が岡山大に一定期間寄付を行い、それを元に同大が講座を開設する。

 今後、さらに具体的な協議を行い、一部決定事項については来年3月を目途に両者で正式に文書を交わす方針。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年11月11日 更新)

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