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心臓カテーテル治療 豪に衛星生中継 岡山大病院、国際シンポで披露

豪州のシンポジウムに衛星生中継された、岡山大病院の心房中隔欠損症カテーテル治療(同病院提供)

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)が女性患者2人に行った心房中隔欠損症のカテーテル治療が22日、豪州で開催中の国際シンポジウムに衛星生中継された。

 岡山大病院循環器疾患集中治療部の赤木禎治准教授らが午前8時15分に開始。患者はいずれも先天性で心臓内部の壁に2センチ程度の穴が開いている兵庫県の女性(78)と岡山市の女性(59)。太ももの付け根からカテーテルを挿入して心臓に送り、先端の閉鎖栓で壁の両側から穴をふさいだ。1人当たりの治療時間は約2時間で、いずれも成功した。

 入院棟付近にパラボラアンテナを載せた中継車、同棟1階の処置室にはビデオカメラなどの機器を置き、豪州に映像を送信。現地の会場からは「閉鎖栓のサイズはどのように決めるのか」などの質問があったという。

 赤木准教授は「開胸する外科手術よりも切開部分が少なく、患者にかかる負担が少ない治療法。2人とも2、3日後には退院できる見込み」としていた。

 岡山大病院によると、この治療法は国内十数の医療機関が実施。同病院の症例数は小児、成人とも年間約100件と全国トップ級で、国際的にも高い評価を受けているという。

 医療技術の向上を目指す同シンポジウムは、ケアンズで21―26日に開かれている世界小児循環器学会の一環。毎年治療を生中継しており、今年はドイツや韓国、インドなど7カ国から映像が送られた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年06月23日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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