済生会病院・高畑氏に松岡良明賞 胃がん治療に尽力、9月に表彰式

高畑隆臣氏

 山陽新聞社会事業団(松田正己理事長)は、がん撲滅に功績のあった個人・団体をたたえる「松岡良明賞」の本年度受賞者を、岡山済生会総合病院(岡山市北区国体町)の総合診療科診療部長の高畑隆臣氏(61)に決めた。表彰式を9月8日、山陽新聞社(同柳町)で開き、表彰状と賞金100万円を贈る。

 高畑氏は、自治医科大を卒業後、成羽病院(高梁市)で勤務。1995年に岡山済生会総合病院に就職後は、25年にわたって胃がん治療に尽くした。「患者本位」を信念に、約1300例の手術に携わり、安全な手技の確立や患者のQOL(生活の質)向上に取り組んだ。

 同病院で2017年までに行われた胃がん手術約4千例について、発病の経緯や手術内容、経過などを約20年かけて調査。そのデータから、手術することが困難とされてきた進行がんに対し、手術と化学療法の併用が効果的であることを導き、最も進行した「ステージ4」の患者の5年生存率を引き上げた。

 松岡良明賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設。その後、同社最高顧問の佐々木勝美氏、相談役の越宗孝昌氏が各1千万円を寄託し、増額された。今回で28回目。

(2023年07月08日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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