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遺伝子「リンクプロテイン」 神経の情報伝達関与 岡山大准教授ら マウス実験 有無で速度1.5倍差

大橋俊孝准教授

別宮洋子技術専門職員

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の大橋俊孝准教授(分子医化学)と岡山大医学部の別宮洋子技術専門職員(同)らの研究グループは、中枢神経細胞が得た情報が脳に伝わる速度に、遺伝子「リンクプロテイン(Bral1)」が関与していることを突き止めた。

 不明だった情報伝達の仕組みの一部を解明する成果。交通事故などで損傷した神経組織の機能回復といった再生医療につながることが期待される。北米神経科学学会誌(電子版)に掲載された。

 皮膚が受けた刺激や視覚などから得た情報は電気的な信号に変換され、神経細胞にあるくびれ(ランビエ絞輪)を跳ぶようにして脳に伝わる「跳躍伝導」が起こっている。

 研究グループは「Bral1」を持った正常なマウスと持たないマウスにそれぞれ強い光を当て、脳への伝達速度を測定。200匹以上のマウスで実験を重ねた結果、「Bral1」を持たない場合は反応が1・5倍遅くなることを確認した。

 「Bral1」は大橋准教授が2002年に発見した遺伝子。ランビエ絞輪以外の細胞周辺には存在しないことから「何らかの形で脳への情報伝達に関与している」と想定し、同年から研究に着手していた。

 大橋准教授は「(生体を傷つけることなく分子などの動きを映像化する)分子イメージング技術などを活用してBral1の解明をさらに進めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年03月16日 更新)

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