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岡山大など医学部地域枠合格者 定員割れ 岡山県 「趣旨周知し人材確保を」

 岡山、広島、香川県が地元の国立大医学部に設けた「地域枠」で、今春の入試の合格者が軒並み定員を下回った。医師不足が深刻な過疎地などの地域医療を支える人材を育てる制度への期待は大きいだけに、岡山県は「趣旨を周知して定員確保に努めたい」としている。

 岡山県は、岡山大に本年度より2人多い7人、広島大に初めて2人の地域枠を設けた。このうち26人が志願した岡山大は4人しか合格せず、3人の欠員が出た。

 広島県は広島大(定員5人)と岡山大(同2人)に地域枠を設けたが、志願者3人の岡山大で欠員1人。「県民医療推進枠」を香川大(同10人)と愛媛大(同2人)に設けた香川県も、12人が志願した愛媛大での合格者がなかった。

 岡山大にはこのほか、兵庫県(同2人)と鳥取県(同1人)の枠があるが、合格は兵庫の1人のみ。4県で計12人の地域枠定員のうち半数の6人が欠員となった。

 「志願者数から見て定員が埋まると想定していただけに残念」と、岡山県保健福祉部施設指導課。一般入試前期日程の合格者から、地域枠へ「くら替え」する学生を募集できないか、岡山大と協議したい考え。

 岡山県は、地域枠の学生に卒業までの6年間、月額20万円の奨学金を支給。返済を免除する代わりに、卒業後は初期臨床研修期間(2年)などを含む9年間、県が指定した病院に勤務してもらう。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年03月25日 更新)

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