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DMAT事務局次長が豪雨対応回顧 岡山で災害医療テーマにシンポ

西日本豪雨の対応について振り返る厚生労働省DMAT事務局の近藤次長

 災害医療をテーマにしたシンポジウムが11日、岡山市北区鹿田町の岡山大Jホールで開かれた。西日本豪雨の被災地に災害派遣医療チーム(DMAT)を送る際に指揮を執った厚生労働省DMAT事務局の近藤久禎次長が講演し、当時の対応を振り返った。

 近藤次長は、豪雨の時に被災地に計119チームを動員し、被災病院からの患者誘導などに当たった活動を説明。倉敷市真備町地区では浸水した病院への派遣が遅れたことに触れ、「初期の患者搬送に関われず、避難も夜間になった。水害は派遣の判断が難しく、対応が後手後手に回った」と反省点を挙げた。

 その上で市のハザードマップで病院が浸水エリアにあった点を指摘し「病院ごとの災害リスクや耐震強度などの把握は平時からできる。豪雨を教訓に、危険性の高い病院をいち早く確認し、適切に対応できる態勢づくりを進めたい」と述べた。

 豪雨直前の昨年7月に開設された同大大学院医歯薬学総合研究科災害医療マネジメント学講座の主催。近藤次長をはじめ、災害医療の専門家ら8人が登壇し、医療関係者ら約170人が聴講した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年08月12日 更新)

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