文字 

岡山大病院 脳死心臓移植を申請 中四国初 施設認定目指す

 15歳未満の小児にも臓器提供を認める改正臓器移植法の全面施行(7月17日)を前に、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)が脳死心臓移植の実施施設認定を目指し、心臓移植関連学会協議会に申請したことが10日までに分かった。認定権限を持つ移植関係学会合同委員会が全面施行前までに判断。認定されれば中四国地方初の実施施設となり、肺、肝臓など5臓器で脳死移植手術ができるようになる。

 同法の全面施行で、本人が拒否していなければ家族の同意で臓器提供が可能となり、年間3〜13件で推移してきた国内の脳死臓器移植は10倍に増えるとの予測もある。だが、日本臓器移植ネットワークによると、国内で心臓移植が可能な施設は大阪大医学部付属病院など7カ所のみで、中四国や北海道などにはない。全国で150人を超す待機患者の多くが、遠方の実施施設近くで長期滞在を強いられている現状がある。

 岡山大病院によると、3月末までに申請した。同病院ではこれまで、肺16件、腎臓1件の脳死臓器移植を実施。認定されれば心肺同時移植も可能となり、米国などで移植技術を習得した心臓外科医や麻酔科医ら50〜60人の心臓移植チームを編成し手術に備える。同病院は「医療体制は十分整った。中四国の拠点となり、一人でも多くの患者さんを救いたい」としている。

 審査は同協議会実施施設認定審議会が近く着手し、施設訪問などで医師の経験や術後管理に必要な設備などをチェック。要件を満たした候補施設を移植関係学会合同委に推薦、問題がなければ認定される。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年04月11日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ