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第10回 岡山市立市民病院 リウマチセンター 治療進歩 “治る病気”目指す

病院で毎月開かれているリウマチ教室

臼井正明リウマチセンター長

 原因は不明だが、免疫異常で関節に炎症が生じ、次第に動かなくなるリウマチ。歩けなくなったり、寝たきりになるイメージが強いが、「ここ数年の治療の進歩は目覚ましく、治る病気になりつつある」とリウマチセンターの臼井正明センター長は説明する。

 大きいのが生物製剤の登場。病院でこれまで投与した患者五十人のうち83%で関節のはれや痛みが引くなど症状が改善、ステロイド剤の使用を中止できた。海外では「20%が完治した」という報告もある。

 現在、健康保険に適用されている薬は二種類だが、今後増える見込みで、「たとえ一つの薬が合わなくても二の矢、三の矢が打てるようになる」と言う。

 大切なのは早期発見・治療。院内には日本リウマチ学会が認める指導医が二人おり、四月からもう一人加わり充実する。患者への啓発も、誰でも参加できる「リウマチ教室」を毎月第三木曜日に十年近く開催し、情報提供に努めている。

 早期治療が難しく、関節の変形が大きくなった人でも、人工関節を中心とした手術がある。昨年はひざ関節で約五十人、 股 ( こ ) 関節で約三十人に実施。半数でしゃがんだり、正座したりできる「深屈曲」ができるようになったという。

 臼井センター長は「リウマチの診断がつくと、皆ショックを受けるが、うちでは『歩けなくなることはない』と言っている。薬と手術、リハビリを組み合わせて“治る病気”を目指していきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年04月01日 更新)

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